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8.皮膚のカサカサは心のカサカサ
誰でも経験あると思うけれど、疲れてくると肌がカサカサになって荒れてくる、痒くなる、皮膚が黄色っぽくなる、もっとひどくなると茶色くなる、さらにひどくなると黒ずんでくる。
血流が悪くなると皮膚の再生能力が落ちるからだが、人が強度なストレスを受けると急激に皮膚の血流が滞りボロボロになるくらい皮膚炎を起こすことがある。

全身にブツブツや発疹の様な皮膚の荒れで来院されたFさん、皮膚科では紫外線のアレルギーだと言われ治療を受けていたが経過はもうひとつとのことで来院された。
よくよく聞いてみると最近息子夫婦が台所を別にしたいと言い出した。
それがかなりショックで眠れないとのこと、息子さん側の生活上の理由で、決してお母さんと一緒が嫌だからではないとの事情は、私には分かっていたが、お母さんの立場になると傷つくのも無理はない。
ショックで皮膚の血流が悪くなり皮膚炎を起こしたのではと推測された。

うつ病でも同じだが、脳がショックでダメ-ジを受けると回復するのにかなり時間がかかる。
それで、来られる度にお母さんの気にしてるような事情ではないんですよ、とお話ししながら脳の緊張を緩めるような治療を続けて半年後にはほとんど治った。
その後この方は何か心配な事が起こる度に皮膚炎が出てましたね。

脳梗塞のご主人を15年も看病してきたSさんも慢性的な強いストレスで、来院された時は悲惨なくらい全身が皮膚炎で染み出したお汁でジュクジュクでボロボロだった。
人が見たら、悪いうつる病気かと気持ち悪がられるんじゃないかと気にして、好きな温泉も行けないとのこと。

今までの状況をお聞きしたら、やはりストレスが原因と思われた。
かなり重症な上に、現在も介護のストレスが継続しているのでなかなか成果は見られなかった。
それでも1年経つとジュクジュクとした浸出液は出なくなった。

それから3年後にご主人が亡くなられ、介護から解放されてからみるみるうちに良くなってゆき、今では米寿とは思えないほどお元気で遊び回っておられます。
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