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5.鍼灸治療で元気になり無事出産
4日後に予定日を控えたMさん、まだ陣痛の気配が全くないので促進のために来院された。

この患者さんは持病として癲癇を持っている、妊娠中にも一度発作が出たとのことだったのでこれは難しいなと、
もし治療中に発作が出た時の対処や、妊娠中に癲癇の薬を使うと胎児にどんな影響があるかも分からないし、治療を断ろうかと思ったのだが、とにかく診てみると、腰の筋肉がかなり突っ張っていて寝返りが困難そう、胎児はまだ充分に降りてなく、このままではまだ生まれそうには見えなかった。

それで、患者さんの状態を注意深く見守りながら、ごく軽い刺激で腰の筋を緩めてゆき、同時に自律神経が安定するように治療した。
2日後に来られて、前回の治療から体が軽くなった、動きも良くなった、癲癇の発作も出なかったとのことだったので、
同じように治療して4日後に来院。

予定日を2日過ぎたがまだ生まれない、さらに3日経っても陣痛が来なければ帝王切開の準備をするとのことだった。
後ろから見ると、確かにまだ重心が下がっていない、胎児が降りてない、体調はすごく元気になって、幸い癲癇発作も出そうになかったので、腰、仙骨辺りのこわばりを十分緩めておいたところ、次の日には陣痛が起こり無事元気な赤ちゃん生まれたそうです。

鍼灸治療は、副作用がなく身体に優しい安全な治療なので、妊娠中のケアには最適な方法であると再認識した次第です。
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