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16.考えるより感じることの大切さ
 西洋医学は検査によって画像や数値で表せるような変化や器質的な変異を見つけ論理的に診察を進めていく。
 対して東洋医学は検査機器の一切無かった時代であったため人間の体と心の状態を精密かつ詳細に徹底して観察しその変化を五感で捉えようとした。

 東洋医学の4つの診察法、望診、聞診、問診、切診のうち問診以外は全部感覚的な診察法である。形や数値に表せないため明治時代に西洋の文化や医学が入ってきた時に東洋医学は古臭いとか野蛮であるとかで日本の医療制度の枠外に追いやられ今に至っている。しかしながら人間の状態を感覚で捉えるということは機械には絶対出来ない優れた面を持っている。

 考えてみてください、人に会った時に、あんた今日は元気ないなあ、どないしたん?何かあったん?よくありますね。このように最初の一瞥で誰にでも分かる簡単なことが機械では認識出来ない。では何を見て元気ないと思ったのかと改めて問われるとこれは難しい、理屈ではない、ただそう感じたということである。

 気とは何であるか科学的に解明できれば元気度を測定すれば面白いでしょうね。いつかAIがそれを感じるようになるのでしょうか?
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