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1.逆子、至陰(しいん)のお灸
足の小指外側の爪の根元に至陰というツボがあって古来逆子の灸として有名である。
至陰にお灸を据えると胎児がよく動くようになる、よく効く人はお灸と同時に胎児が動き始める。

妊娠9か月に入って逆子で来院されたMさん、他に特別な所見もなかったので治療は至陰のお灸だけにすることにした。
もちろんお灸は初めてなので八分灸といって熱さを感じ始めたら、即、もぐさの火を消す方法で3壮施灸したところ、胎児が動き出したとのことで、後は毎日自宅で灸を据えてもらうようにして治療を終了した。
するとちょうど明くる日の検診で逆子が直っていて大変喜ばれた。

たった1回の至陰の灸だけで治った私も感動したケ-スである。
しかし全ての人がそううまくいくわけではなく、胎児はよく動くのにどうしても戻らない人もある。
頭をどこかに突っ込んでしまってるとか、胎児が下に下がりすぎて落ち着いてしまっているとか、様々な原因があって、
そういう場合は、逆に逆子の方が赤ちゃんにとっては安定した状態ということなので、無理に逆子が直らなくても良いのではないだろうか。

至陰は子宮と繋がっているので、子宮筋腫の進行が止まったり、子宮内膜症の治療にも良いようである。
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