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4.予定日を過ぎても陣痛が来ない
何時生まれるかというのは妊婦さんのお腹を見るより後ろから腰の様子を見るとよく分かります。
全体として腰の重心が下がってくる、腰の下部から仙骨辺りが何となく膨らんできて体型が変わってきたな、となると大抵は明日までには生まれる。

陣痛が来ない、予定日を過ぎても生まれる気配がない人を診るとまだ充分腰の重心が下がってない場合が多い。
明日予定日なのに全く陣痛の気配がないと来院されたAさん、やはり腰の重心が第4腰椎の辺りにある、これはまだだなぁという感じ。
よく診ると腰から骨盤にかけての筋肉や組織がコルセットを巻いているように硬い、なぜ硬いのか?

元々腰の悪い人、お産を控えた緊張や不安のため体全体がこわばってる人、日常的なストレスなど様々である。
その為に骨盤が開きにくく、胎児が降りるのをじゃましているのではと考え、それを緩めるように鍼をしておいた。
2日後、第2診の時は重心が第5腰椎から仙骨辺りまで下がっていたので、明日中には生まれそうやなぁって話をして、同じように緩める鍼をしておいたところ、その日の夜に無事生まれたと連絡があった。

逆子の妊婦さんもそうですが何かしら腰に弱い所があるケ-スが多いようです。
5.鍼灸治療で元気になり無事出産
4日後に予定日を控えたMさん、まだ陣痛の気配が全くないので促進のために来院された。

この患者さんは持病として癲癇を持っている、妊娠中にも一度発作が出たとのことだったのでこれは難しいなと、
もし治療中に発作が出た時の対処や、妊娠中に癲癇の薬を使うと胎児にどんな影響があるかも分からないし、治療を断ろうかと思ったのだが、とにかく診てみると、腰の筋肉がかなり突っ張っていて寝返りが困難そう、胎児はまだ充分に降りてなく、このままではまだ生まれそうには見えなかった。

それで、患者さんの状態を注意深く見守りながら、ごく軽い刺激で腰の筋を緩めてゆき、同時に自律神経が安定するように治療した。
2日後に来られて、前回の治療から体が軽くなった、動きも良くなった、癲癇の発作も出なかったとのことだったので、
同じように治療して4日後に来院。

予定日を2日過ぎたがまだ生まれない、さらに3日経っても陣痛が来なければ帝王切開の準備をするとのことだった。
後ろから見ると、確かにまだ重心が下がっていない、胎児が降りてない、体調はすごく元気になって、幸い癲癇発作も出そうになかったので、腰、仙骨辺りのこわばりを十分緩めておいたところ、次の日には陣痛が起こり無事元気な赤ちゃん生まれたそうです。

鍼灸治療は、副作用がなく身体に優しい安全な治療なので、妊娠中のケアには最適な方法であると再認識した次第です。
6.お腹の赤ちゃんには全部聞こえている?
逆子でずっと鍼灸治療していたTさん。 無事生まれたが、生後2か月の赤ちゃんが、泣いて泣いて、昼も夜も泣きっぱなし。
母親が寝れないで参ってしまって、赤ちゃんを連れてこられた。

来る途中もずっと泣いてたので治療中も泣いて出来ないんじゃないかと心配したらしいが、
不思議なことに治療室に入ったら泣き止んでしまった。

ベッドに寝かせて、なんやかんや赤ちゃんに話しかけながら皮膚針すると、泣かずにじっとしている、
頭に鍼をするとまだ2か月なのにニコッと微笑む、これは赤ちゃんが気持ちが良く感じてる証拠。

考えてみるに、お腹の中にいた時から母親と話しながら治療していたものだから、声や治療時の雰囲気やらが記憶に残ってるのではないか。
ここは自分にとって安心なところ、と感じているふしがあるように思われる。

以前にも、生理が遅ると来院、治療するとその次の日には必ず生理が始まった女性。
これまでの時例によって治療したのに、この時は始まらない、3回治療したのに1週間経っても始まらない、
おかしいなと思っていたら実は妊娠していた。
思いも寄らないことだったので気が付かなかったが、おめでただったとは、生理が始まらんで良かった、
と二人でビックリした事があった。
その時お腹にいた子が今24歳になってやはり時々鍼治療に来ている。
なんてったってお腹にいる時から針してたんだからね。
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